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2015.10.16

京都国際映画祭2015リポート

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ドキュメンタリー映画『Hee and She 映画「火 Hee」を作った日々』上演後に桃井かおり、板尾創路らがトークショーを開催

 

10月16日(金)、よしもと祇園花月でドキュメンタリー映画『Hee and She 映画「火 Hee」を作った日々』が上映され、上映後に桃井かおりさん、芥川賞受賞作家の中村文則さん、奈良橋陽子さん、野村祐人さん、そして奥山和由さん、板尾創路によるトークショーが行われました。
この作品は、中村文則さん原作の『火』をもとに作られた来年3月公開予定の映画『火 Hee』の上演に先駆けて公開されたメイキング映像。『火 Hee』は、桃井さんが演出・脚本を手がけ、かつ桃井さん自身が火に異常に執着する精神疾患を患う女性を演じる意欲作。その作品の撮影中の、あらゆる出来事を収めたメイキング映像ということもあり、トークショーでは撮影秘話で大いに盛り上がりました。

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まず、『Hee and She 映画「火 Hee」を作った日々』の感想を尋ねられた板尾は「久しぶりに混じりっけのない、有期栽培100%の桃井かおりをいただいたという感じ。ずっと喋ってはる桃井さんに笑ってしまいました。めちゃくちゃ面白かった」としつつ「自分で作って演出して演じる感覚って、芸人さんと近いですよね。漫才師の方々とやっていることが変わらない。僕は桃井さんと比べてずっと下ですけど、その感覚はわかります」と語りました。

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また、原作は『火』というタイトルに対し、映画のタイトルを『火 Hee』とした理由を奥山さんに尋ねられた桃井さん。「『火』だと 英語だと“fire”になって、火事の方に感じられるので、他に考えてみたけれど…アルファベットで『He』だと“彼”になっちゃうし、『HEE』とすることで『何だろう?』と思わせるため」とのこと。また、撮影は桃井さんのロスの自宅で行われたことや、新婚生活3日目にしてクランクインしたことなど、撮影秘話が明かされました。

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中村さんも映画を観た感想を。「メイキングもおもしろかったし、編集中ではありますが本編も見て、素晴らしくて感動しました」と、原作者ながら一観客として楽しんだとか。『火』が映画化となった秘話も明かされました。奥山さんが「中村さんに、この短編を映画化にする人はいないでしょうと言うと『どうぞ』と言われて。とはいえ、まさか桃井さんの監督とは僕も想像つかなかった」と激白。中村さんも「奥山さんは、最初にお会いした時に『この人はすごい』と思いまして。この方がいうならお任せしたいなと思いました。僕も、桃井さんが監督をやってくださるという流れになるとは思いもしなかった」と感無量の様子。
桃井さんは「原作がこんなに冒険している作品なんだから、映画も普通の映像にするわけにはいかない。こっちも冒険しないと、と思いました」と語ります。

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奈良橋陽子さんは、演出家として活躍する一方で、ハリウッド映画への日本人のキャスティングも行うプロデューサー。桃井さんが出演した『SAYURI』などで桃井さんの才能に触れた奈良橋さんは、「かおりさんが持っているオリジナリティは素晴らしい。日本が誇れるアーティストであり女優です」と大絶賛。「日本の諺で“出る杭は打たれる”というのがありますが、あるときかおりさんに『どうやってその杭を通り抜けたの?』と尋ねたことがあるんです。すると『いつのまにか板の方が上がっちゃった』って。この映画もそうですし、最初に監督した映画もそう。美的感覚が素晴らしいし、とてもユニーク」と桃井さんの魅力を語りました。

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アメリカを拠点に活動する、俳優でありプロデューサーの野村祐人さんからは、アメリカと日本の映画の違いが明かされます。「例えばカメラマンは、日本ではいつものパターンで撮ることが多いと思うんですが、アメリカは『こうやったほうがよくなります』というセッションが多い」と、カメラマンの発想やディレクションが加わることでより自由度の高い作品が作られることを語りました。ほかにもアメリカで映画を撮る際の裏話が続々。奥山さんに「アメリカで撮ってみたいと思ったのでは?」と尋ねられた板尾は「僕は桃井さんみたいに明るくないので無理ですね(笑)」と尻込み!? 一方、中村さんの作品の映画化を勧められたときは「やってみたいです。コメディにしますけど」というと、間髪入れず「見てみたいです。お笑いが好きなので光栄です」と中村さん。


お客さんからの質問タイムを設け、トークショーもいよいよ終盤へ。
最後に桃井さんは、「映画を作りたくても、お金の問題だったりいろんなことがあって、全部の映画が潰れてたときに、とうとう出会えた作品です。本当に幸せな映画が撮れました。観てもらわないと映画じゃないので、ぜひ観てください」とPR。板尾も「京都で映画祭をやるのはすごく意味があると今年もすごく思います。ぜひ続けていただきたいし、京都の皆さんにも参加していただきたい。映画監督さんが撮る映画も好きなんですけど、桃井さんみたいな方が作った映画とか、ありえない原作の映画をもっと観てみたい。映画を撮りたい人はたくさんいるので、いろんな人にチャンスが巡ってくるのがいいと思います」と語りました。
10月16日@よしもと祇園花月