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WHAT'S UPS 卒業生情報

ハリウッド映画出演の卒業生もいれば、全国ネットTVで放映された人もいる。俳優の道ではなく、歌手、ダンサー、脚本家、演出家、プロデューサーなど別の道で創造的に生きる人もいる。

卒業生・在校生の声

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久藤 今日子7期生

結婚したあとも英語で海外とやり取りをするお仕事を続けていた久藤さんが、女優を目指す決意された時のお気持ちや、そのときのご家族の反応や、アカデミーに入って感じたこと、そして卒業後から現在の活動についてお伺いしました。

アカデミ宜しくお願いします。

久藤よろしくお願いします。

アカデミ子育てをされている最中という、最もハードな時期に女優を志されたということですが、そのきっかけというのは何だったのでしょうか?

久藤英語を使って様々な仕事を経験しながら、自分にとっての生涯の仕事とは何だろうと考えあぐねていました。出来得る仕事ではなく、本当にしたいことは何かと考えての決断でした。

アカデミ映画や舞台か何かを見て気づかれたんですか?

久藤そういったきっかけではなく、やりたいことに固いふたをしていたことに気づきました。

アカデミご自分の環境を考えて進むかどうか悩んだりはされませんでしたか?

久藤突拍子もないことを始めることで起こり得る夫婦間のひずみや、身寄りのない土地で子どもを抱えながら将来性の不確かな仕事に向かうハードルなど、色々と考えました。

アカデミ様々な思いを乗り越えて役者に挑戦してみようと?

久藤そうですね…。今だから言えることですが、無鉄砲ながら、責任を自分で負う覚悟がなければできなかったと思います。

アカデミちなみにそのころお子様はおいくつだったんですか?

久藤上の子が小学校1年生で、下の子が保育園の年長組でした。

アカデミ大変じゃないですか!?そのとき旦那さんは…

久藤そうですね、初めから理解を得るというより、いつまでたっても諦めようとしないスタンスにしぶしぶ付き合ってくれたんだと思います。

アカデミやはり理解して頂く努力は必要だったと…

久藤世間的にも女が人生の舵取りをしようと思えば、現代でもほうぼうから叩かれます。最小ユニットの家族には解ってもらいたくて必死でした(笑)。

アカデミ様々な立場と意見はどうしてもありますよね。それを覚悟と情熱で乗り越えて…その時はすでにこちらへ通うと決めていらしたんですか?

久藤いえ、どこへ行けばいいか判らず、とにかく勉強したいと思って候補を挙げ始めました。

アカデミまさに手探りだったんですね。いくつか検討されて…

久藤そうですね。ほんの少しだけ演技を教わった経験があったのですが、自分の得たいものではなかったので比較検討が必至だと思い、いくつか見学をしました。

アカデミどのような点を比較されましたか?

久藤自分なりに経営の側面も参考にしました。生徒が支払ったお金の遣い道がどうなっているのかとか。例えば、多くの機材が必要なコースが併設されている学校ですと、それらの維持費や新たに導入される物にコストがかかりますが、俳優コースに必要なものは基本的に学ぶスペースですので、全コースの授業料が同じ場合は割が合わないなぁとか。それでも、稽古の種類や質の比較は一番大切な要因でした。

アカデミなるほど…

久藤生活もかかっていましたから(笑)、そういうことも考えました。

アカデミそれでこちらを?当時はスタジオも決して広くはなかったですし…

久藤若くはなかった分、事の本質を見ようとしたんじゃないですか(笑)。

アカデミそうでしたか。では、入学されて最初にどんなことを感じられましたか?

久藤私ひとり、異質だなぁと。

アカデミといいますと?

久藤年齢が…当時はクラスにほとんどいらっしゃらなかったんです、30オーバーの方が。20代半ばぐらいの方が多くて。

アカデミ緊張されましたか?

久藤気負いは全くなかったんですが(笑)、ただ、シーンで組んだ相手に申し訳ないなあと思うこともありました。恋愛シーンに私とペアはないだろ!とか。でもお陰さまで、年代の違う方とも本気でシーン稽古ができるようになりました。

アカデミプラスになったんですね。

久藤鍛えていただきました。

アカデミ本当に前向きですね。どんな授業が記憶に残っていますか?

久藤それぞれの先生が根幹では同じことを教えながら、役者のオリジナリティにも繋がるようなバラエティに富んだ授業をしていただいたことです。

アカデミ先生によって違ったと?

久藤それぞれの先生が役者として追い求めていることが授業にも滲み出ていて、それらが卒業後の舞台や撮影、稽古の中で結びついて自分に帰ってきたことが頻繁にありました。

アカデミ例えばどのような?

久藤そうですね。「一度すべて捨ててみたほうがいい」とUPSで教わった経験が、撮影の場で「相手に自由自在に動かされる」経験と繋がった時には、何を捨てたらいいのかを改めて発見することができました。

アカデミそれは現場に出てからですか?

久藤そうです。卒業して、現場で体得しながら再確認していることが多くあります。卒業してよりシビアになれたと思います。

アカデミほほう。

久藤とは言っても、UPS在籍中は小学校一年生のように教えを吸収するのに無我夢中でした。当時書き記したノートを見ると、子どもの成長や体調の記録も書いてあるんですよ。小学校に上がったばかりの子どもたちの頑張り様に喚起されながら、励まし合ったり、クラスで学んだことを子どもとの遊びの中で反芻させたりしながら日々を過ごしていました。

アカデミ本当に大変だったんですね。普通に働いていた時と現在では何か違いがありましたか?

久藤トライなしでは進歩できないという点では、どの仕事も変わりないと思います。会社に勤めていた頃も、週三日派遣社員・週三日UPS通いだった頃も、現在でも、体調管理が必至なことも変わりません。ただし役者になって毎日を過ごすエネルギーが増したような気がしますし、何よりも役者である日々に感謝しています。

アカデミなるほど。では受講中に何か工夫されていたことってありましたか?

久藤ええ、工夫というより…話は戻ってしまうんですが、社会経験や人生経験が長い分、それを授業に活かしていました。どんな経験も決して無駄にはならなかったんです。無尽蔵にある経験値を使えたんですから、年を経ていて万々歳でした。

アカデミそれは若い人ではなかなかできないですよね。

久藤若い頃の私にはできなかったと思います。

アカデミ他に授業で心に残っていることって何かありますか?

久藤授業ではないのですが、卒業公演の際に陽子さんが「ご家族も来てくれるといいわね」と仰いました。世界を目指したかった私は、愚かにも、それを聞いて落ち込んだことを覚えています。

アカデミ家族に見せることが目標なのではないと思っていたんですね?

久藤ですが、実際にはあの言葉の重さと言ったら!大切な人が喜んでくれなければ何も始まらない、周りの人を幸せにしてこそやりがいがあるし、世界にもメッセージは届くだろうと。それがUPSで頂いた最大の言葉でした。それを理解 した上でUPSに通えていれたら、また違った学びがあったかも知れません。

アカデミ今ではご家族にも見て頂いている?

久藤そうですね。ようやく出演作品を観て家族が面白がってくれるようになってきました。それぞれで家族に対する理想がありながらも、皆が笑顔でいられる方法を模索しているひとつの形だと思うと、家族には本当に感謝しています。

アカデミ素晴らしいですね。ではこんどは卒業してからのことについてお聞かせください。

久藤卒業公演後の個人面談で、この仕事でどうしても食べていきたくて事務所を紹介してくださいと粘りまして…それでひとつ事務所を紹介して頂いて、面談に伺ったんです。

アカデミよかったですね

久藤はい。でもその時、「あなたのやりたいという熱意はよく解ります。でも、それに対してあなたは実際に何ができますか?」と問われました。

アカデミおぉぉ、

久藤な、何もできない!と。それまでは受け身で、自分から発信して演技をしたことがなかったんです。「街頭でも、一人芝居でも、やりたいこと何でもやってみて、何かしらの形になってからもう一回面談に来てみませんか?」と言われ、それが大きな転機となりました。

アカデミ素晴らしい面談だったんですね。

久藤そうですね。もしそこで事務所に入れて頂いたとしても、ただ仕事を待ってオーディションに行くだけで、漠然と役者をしていたような気がします。

アカデミそうでしたか。それで?

久藤どこで、どういういった演技の場所をしていこうかと探し始め、情報を得ながら、オーディションにトライ&エラーを続けました。

アカデミそれをどのくらい続けられたんですか?

久藤3年ぐらいでしょうか。どうしてもトライしたい作品への嗅覚を養ったり、合格して経験を積ませて頂いたり、知り合った方からまた別を紹介して頂けたりすることもありました。

アカデミ今のお仕事は、事務所からくる仕事のほうが多いんですか?

久藤事務所経由のものはオーディションがメインです。まだまだご指名頂ける知名度レベルではありませんから。仕事を多くさせて頂けるよう励みます。

アカデミ現在では海外の監督さんとの作品を中心に活躍されていらっしゃいますよね。そんな先輩から、これから入学しようと思っている方に何かメッセージがあればお願い致します。

久藤日本を舞台にしているものなら、海外の監督作品であるほど語学力よりもアイデンティティが問われるのかも知れません。自分が思う自分像と、周囲の人が捉えるあなた像の両者を知ると面白いと思います。私と同じように親でもある方へは…演技の場は家庭とは環境が違いますので、上手に切り替えをする術を身に着けることができたら、両者を楽しめると思います。実はそれができずに家族を傷つけてしまった時期があって、それを猛省した上での意見です。UPSへ通いながら、たくさんの舞台や映画を見ることもお薦めします。どんな芝居がしたいのか、どんな演技を身に着けたいのかが具体的に分かることで、稽古での無駄を減らせるかも知れません。これも反省から来たアドバイスです。それから子育てと同じなんですけど、衒いなく自己肯定していけばといいと思います。自己否定を繰り返すことで自分にばかりフォーカスを当ててしまい、芝居の相手に集中することが難しくなることもあるでしょう。何より、誰かに否定されたとしても、自分だけは自分を肯定して前向きに生きる自由だってあるんですから。これもまた、自己否定をし続けて遠回りをしてきた反省から来ています(笑)。

アカデミなるほど。今日は長い時間ありがとうございました。これからも頑張って下さい。

久藤ありがとうございます。

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